味覚地図: 舌の部位による味覚の違い
舌の部位によって味覚は違う?
味覚地図を知っていますか?
舌にある、味を感じる受容体を「味蕾(みらい)」と呼びます。
味覚地図は、以前、世界各地の教科書に記載されていましたが、現在は一切載っていません。
なぜなら、この図の情報のほとんどは間違っているからです。
人の舌は、
- 甘味
- 塩味
- 酸味
- 苦味
- 旨味
の5種類の味を受容することが出来ます。
味覚地図によると、舌の部位によって受容される味の種類が異なります。
しかし、実際は、全ての味蕾は全ての味を受容できます。
つまり、舌の先と舌の奥とで受容する味の種類に違いはありません。
なぜ、このような嘘が世界に広がったのでしょうか。
原因は、1901年にドイツのヘーニッヒが作成した論文の中にありました。
その論文の中で、人の味覚は
- 甘味
- 塩味
- 酸味
- 苦味
の4種類に分けられていました。
そして、舌の部位によって感度が偏っていると記載されていました。
1942年、ハーバード大学の心理学者エドウィン・ボーリングがその論文を引用し、新たに発表しました。
ボーリングはヘーニッヒの報告内容を正しく引用していましたが、勘違いを世間に誤解を生みました。
感度は偏っているだけであり、完全に分かれているわけではありません。
その勘違いが修正されないまま、味覚地図というものに発展しました。
1990年代ごろから、この図はの内容は完全に否定され始め、世界中の教科書から抹消されました。
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