self-determination-theory

仕事ができないのは『物事を自分で決めていないせい』かも?

自信を持つにためには、『自分で決めた』という感覚が不可欠

AさんとBさんは、中学、高校、大学ともに同じ学校を卒業し、同じ有名企業に同時に就職しました。

しかし現在、両者には大きな違いがあります。

A君は有望な若手社員として活躍していますが、B君は途中で精神を病んでしまい退職してしまったのです。

全く同じ学歴を持つ2人の差は、いったい何だったのでしょうか?

その点に関し、2人は以下のように答えました。

  • 【Aさん】
    僕が今やっている仕事は、子どもの頃からずっとやりたかった仕事です。この会社に入ったのはそのためです。進学する学校も、全てこの業界で活躍するために選びました。
  • 【Bさん】
    学校も会社も自分一人で選んだことはありません。学校も会社も両親の勧めるところに合格してきました。受験勉強も就職活動も、両親の期待に応えるために頑張りました。

Aさんが語ったような、自分の内側から湧いてくるモチベーションを内発的動機と呼びます。

一方、Bさんが持っていたような、自分ではなく他者を基準としたモチベーションを外発的動機と呼びます。

内発的動機に従ったAさんは今も自分の道で活躍し続けていますが、外発的動機が主だったB君は途中で疲弊し、道を断念しました。

一般的には、2人とも優秀な人材のはずですし、その自覚もあるはずです(自己有能感)。

おそらく恵まれた家庭で不自由なく育ち、名門の学校を出て有名企業に就職できているのですから。

日本における学業と仕事の大きな違いは『どれほど自分の頭で考える必要があるか』です。

会社の仕事で起こるあらゆる問題に、細かいマニュアルはありません。

もちろん職場や人によって違いはありますが、ある程度の概要を教えたら『あとは自分で考えてやれ』『習うより慣れろ』という雰囲気の職場がほとんどです。

Aさんは基本的になるべく一人で物事を解決しようとします。

もちろん一人よがりは良くありませんが、出来る限り自分の頭で考えることで仕事が出来るようになっていくのは言うまでもありませんね。

それに対しBさんは、とかく誰かの指示通りに業務をしようとするタイプなのではないでしょうか。

いつまでも手取り足取り教えてくれる職場なんてありませんから、Bさんには余計な課題やトラブルが山積していきます。

そうして自分の脳力への自信を失っていき、精神を病んでしまいました。

人が物事に自信を持つにためには、『自分で決めた』という感覚が不可欠です(自己決定感)。

ただ能力や経験があるだけでは、人のやる気は長続きしません。

自分の行いが世の中にどのように響き、どのような結果が出ているのか?

また、それら全てを自分で選択し決定しているという感覚が揃って初めて、本物の自信が湧いてくるものです。

Bさんのように、大切な人の期待に応えるのはもちろん駄目なことではありません。

ただ、そこに自分自身の目標や夢が重なっているかを考えなければならないということです。

もしBさんがAさんのような内発的動機の持ち主だったら、そもそもAさんとは違う学校へ進学していたかもしれません。

この内発的動機と外発的動機という言葉は、心理学や経済学の論文や書籍でよく目にします。

あなたは、それぞれどのような動機を持っていますか?

その動機が内発的にせよ外発的にせよ、どちらも素晴らしいことです。

しかし、どちらを優先していくべきかは、ここまで読んだあなたには言うまでもありませんね。

あなたにおすすめ

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。