女性らしく、男性らしく、とは何か?気になる疑問を解消!
正解は【②2回目のほうが点差は開く】
ステレオタイプという言葉をご存知ですか?
ステレオタイプをわかりやすく表現すると『これにはこういう特徴があるから、きっと他にもこういうところがあるだろう』という考え方です。
持っている情報に引っ張っられるあまり実際には知り得ない領域まで判断が侵攻するとき、人はステレオタイプに縛られていると言えます。
この問題のやっかいなところは、ステレオタイプは必ずしも間違っているわけではないという点です。
例えばあなたがアジア人だとして、西洋人から、あなたはアジア人だから体が小さいと言われたらどう思いますか?
さらに、体が小さい人は力も弱いだなんて言われたら、確実にあなたは不快に思いますよね。
もしかしたらあなたの方が大柄で、喧嘩だってうんと強いかも知れないからです。
しかし、統計的にはアジア人は西洋人よりも小柄です。
さらに、喧嘩も体の小さい人より大きい人の方が強い場合が多いです。
当然といえば当然です。
しかし、その当然が当てはまらない場合に、このステレオタイプは弊害になります。
人は物事を類型化しようとします。
また、この固定観念は他人だけに向けられるものではありません。
自分自身にも同様に発生します。
それがよくわかるのが、今回の実験です。
『自分は劣等の立場にある』という心理や思考は悪魔のごとく人間を縛り付けます。
自分へのネガティブなステレオタイプは、周りからのさらなる差別を誘発するだけでなく、自信や思考力まで減退させることが判っています。
遅くなりましたが、前のページの質問の答えは②の『2回目のほうが点差は開く』です。
個人の情報を何も記入させずにテストを行うよりも、『自分はマイノリティである』と一度認識させてから行ったほうが、当人たちのパフォーマンスが下がるということです。
(個人的にあまりこの実験は好きではありません。なぜなら『マイノリティ=劣等・被差別』というネガティブなステレオタイプに基づいたものだからです。)
- インド人は数学が得意そう
- 黒人は足が速そう
このようなステレオタイプも、同様の記入法のテストで発生すると言われています。
行動経済学におけるステレオタイプ脅威の根深さ、おわかりいただけたでしょうか?
参照
Stereotype Threat | SWD at NIH