1の危険を0にするより、5の危険を1にせよ!
正解は【②1,000回に5回毒素が出る500円の商品と、何回使っても毒素は出ない700円の商品】
先程の選択肢をもう一度みてみましょう。
- ①1,000回に15回毒素が出る500円の商品と、1,000回に10回毒素が出る700円の商品
- ②1,000回に5回毒素が出る500円の商品と、何回使っても毒素は出ない700円の商品
どちらにせよ、700円の商品を選んだほうが毒性が5回少ない計算になるはずです。
ではなぜ、人は即刻②を選ぶのでしょうか。
しかし、そこに0や100という確実性が絡んでくると、人は途端に冷静な判断が出来なくなります。
実際、私達は無数の不確定なリスクを負いながら生活しています。
例えば、以下の事例を想像してみてください。
- 農薬を買いにホームセンターへ行く途中、確実に交通事故にあわないと言い切れますか?
- そもそも、現在のあなたの畑の土は無毒なのですか?
- 仕事に夢中で、何年も健康診断にいっていないのではないですか?
いかがですか?
私達の生活に、0%や100%という確実なものは、実はあまり多くありません。
それでも人は、目の前の『5の危険を1にすること』より、『1の危険を0にすること』に意識を奪われてしまいます。
これは完璧主義は損をする典型的な人間心理と言えるでしょう。
このような人間の先入観を、行動経済学ではゼロリスクバイアスと呼びます。
参照 Zero Risk Bias - Biases & Heuristics | The Decision Lab
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