日本がユダヤ人を利用しようと立てたフグ計画とは

日本がユダヤ人を利用しようと試みた河豚計画

第二次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人を迫害したことは有名です。

日本人からすると遠い国の話だと思われることもありますが、実は日本でかつて、排斥されたユダヤ人を利用しようとある計画が立てられていました。

それが河豚計画です。

計画の目的は、満州国へユダヤ資本をもたらすことにありました。

1932年、日本は満州国を建国しましたが、その経営は困難を極めました。

そこで満洲国の開発を推進していた勢力は、迫害されたユダヤ人を助けてその資本を導入し、困難を切り抜けようと計画します。

日本に友好的な態度を示していたユダヤ人コミュニティなら、受け入れは可能かと思われました。

しかし、この計画は、一歩間違えば反ユダヤ主義の国々から反発を受けることも想定されました。

特にユダヤ人の迫害に熱心なドイツからすれば、面白いはずがありません。

これを推進派の海軍大佐が『肉は美味いが毒をもつ河豚』になぞらえたことから、のちの研究では河豚計画と呼ばれることになったのです。

計画は極秘裏に、着々と検討されました。

そして1938年、満州を支配していた関東軍は、世界各国のユダヤ人を抱擁統合する目標を定めます。

その後、重要閣僚による会議で河豚計画は政府の方針として定められ、あとは計画実行を待つのみとなったのです。

しかし、計画が実現することはありませんでした。

1940年に日独伊三国同盟を締結したことなどにより、河豚計画は実現性がなくなり頓挫、2年後には政府の決定も公式に無効となっています。

参考 Jewish settlement in the Japanese Empire

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