2019年2月、200万人規模のデモをきっかけに、香港政府より逃亡犯条例の改正案が提出され、審議が始まりました。
政府は、この条例が適用されるのは殺人犯などの長期刑のみとしました。
しかし、2015年に中国共産党を批判する内容の本を出版していた「銅鑼湾書店」の店長など4名が失踪し、中国当局に拘束されました。
これを受け、中国当局による言論の自由や政治の民主化への取り締まりは強化されていると、多くの香港市民は不安に感じました。
この改正案により香港と本土による犯罪人の受渡しが可能になれば、香港はより厳しく中国当局に管理されるようになるかもしれません。
これを受け、一国二制度を守ろうとする香港市民による反対運動は激化しました。
民主派団体の「民間人権陣線」が4月に行ったデモには約13万人が参加し、さらに6月に行ったデモには約103万人が参加したと言われています。
これは、香港がイギリスから中国に返還されて以降最大だった50万人(2003年)を、遥かに上回る規模です。
それでも香港政府にこの改正案を変更する意向はありませんでした。
数日後に再び行われたデモの参加人数は200万人を超え、これは史上最多でした。
この改正法案が採択されて香港で中国の法律が適用されるようになると、民主的な集会や活動が制限される可能性があります。
たくさんの香港市民がこのような危機感を持っているので、デモは激化し、長期化しています。
・参照
Hong Kong extradition bill: A timeline of protests
Hong Kong-China extradition plans explained – BBC News