とは言え、細菌には人間のように視覚や聴覚があるわけではありません。
しかし、それでも細菌同士で連絡を取ることが出来ています。
細菌は、お互いの距離が遠いときには意思を通じ合わせることはできません。
しかし、ある一定の密度(クオラム)に達すると、急に何らかの意思の疎通を行い、集団行動をとることが知られています。
この細菌同士の会話をクオラムセンキングと呼びます。
そのわかりやすい例が、大腸菌の行動です。
病原性大腸菌と言えど、少数ならば腸内に存在しても問題にはなりません。
しかし、増殖して一定の密度に達した途端、毒素を出し始めます。
細菌は音や光を受容できないぶん、化学物質が利用して他の個体とやり取りをしています。
この化学物質を逆利用することで細菌感染を抑えようという研究が成されています。