モース硬度は、物質の硬さを表します。
それによると、鉄が4、ガラスが5、歯のエナメルが7とされます。
人の歯のエナメルは、鉄やガラスよりも硬いです。
なので、歯科医が歯を削る際、硬度10のダイヤモンドを使います。
ちなみに、ダイヤモンドは炭素で出来ています。
地球上で最も固い物質のダイヤモンドは、炭素で構成されます。
一方、鉛筆の芯に使われる黒鉛も、炭素から成ります。
鉛筆の芯は柔らかいので、簡単に砕けます。
一見、ダイヤモンドと同じ物で出来ているとは思えません。
理由は、ダイヤモンドが形成される過程にあります。
ダイヤモンドは、地球のマントル中で形成されます。
そこは、とても高温で高圧の環境です。
地表の黒鉛は原子が平行に結合されて出来るのに対し、マントル中の炭素は正四面体を形成します。
これが、これほどの硬さの違いを生み出している理由です。
マントル中の物質が地殻まで上昇するほど大規模な地殻変動は、生物発生以来は起きていません。
だから、ダイヤモンドは古い地層のある大陸でより多く見つかります。
・参照
– Mineralogical Society of America: Mohs Scale of Hardness