時事・現代社会

寒い地域に住むものほど身長が高い?ベルクマンの法則とは

寒い地域に住むものほど身長が高い?

一部の哺乳類には『寒い地域に住むものほど体が大きい』という法則があります。

これをベルクマンの法則といい、1847年にドイツの生物学者ベルクマンが発表したものです。

例えば、世界中に広く生息するクマの事例を考えましょう。

東南アジアのマレー半島に生息するマレーグマは比較的小さく、日本の南部に住むツキノワグマはそれより大きいが、北海道のヒグマほどではありません。

そして北極圏に住むホッキョクグマは最大級で、体長は3mを超える個体もたくさん存在します。

まさにベルクマンの法則の通り、寒いほど大型になると言えます。

しかし、一体なぜなのでしょう。

複雑な生物学的背景がありそうなものですが、実はこれが意外にも単純な数学の問題なのです。

それは『体積が大きくなるほど相対的な表面積は小さくなる』というものです。

このことは立方体で例えるとわかりやすいです。

立方体の1辺の長さが2倍になると表面積は4倍になりますが、このとき体積は8倍になります。

1辺が3倍になれば、表面積は9倍、体積は27倍です。

体が大きくなればなるほど、その体積に対する表面積の比率は小さくなります。

そして、哺乳類が体から発する熱量は体積にほぼ比例します。

つまり体が大きければ大きいほど、体全体の熱量に占める発散される熱量の割合が小さくなり、体力の温存に繋がります。

以上の理由で、寒い地域には大型の哺乳類が多いのです。

参照
Bergmann’s and Allen’s Rules in Native European and Mediterranean Phasmatodea – Frontiers in Ecology and Evolution

Tama

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