努力なしに人は望むものを手に入れられないものです。
ぶち当たった瞬間に突き抜けられる壁など、もはや壁ではありません。
しかし、電子は違います。
電子は壁にぶつかった時、まるで幽霊であったかのように通り抜けてしまうことがあるのです。
これをトンネル効果といい、電子が波の性質を持つことが理由です。
この効果は私たちの日常でも応用されています。
例えばスマホなどに搭載されているフラッシュメモリーは、なぜデータを記憶することができるのでしょうか。
ゲートに電圧をかけると、電子はトンネル効果で壁を通り抜け、メモリの中に入り込み、留まってしまいます。
その檻のようなものを浮遊ゲートMOSFETといい、言わば記録場所そのものです。