「パレートの法則」または「働きアリの法則」を知っていますか?
パレートの法則は、『会社などの組織の中に必ず一定数の怠惰な人間がいる』と示唆する法則です。
例えば、以下のような状況を、私達は頻繁に目撃します。
こういう場合、怠け者は全員解雇すべきだと思いませんか?
しかし、これはそんなに簡単には解決できません。
なぜなら、怠け者を追放しても、残った人々の一部が新たに怠け者に変貌するからです。
蟻や蜂の社会では、女王だけが繁殖活動をし、他の個体は懸命にそれをサポートします。
このような、高度に分化され不妊階級が存在する生物を「真社会性生物」と呼びます。
巣の内外で懸命に働く個体を「働きアリ」や「働きバチ」と呼びます。
しかし、全ての個体が真面目に働いているわけではありません。
真面目に働いていたアリを巣から隔離して別の巣に移すと、そのうちの何割かは働かなくなります。
逆に、サボっていたアリを隔離して別の巣に移すと、そのうちの何割かは真面目に働き始めます。
これがパレートの法則です。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
もし全ての個体が一斉に働くと、いつか全員が同時に疲れ果て、巣が危険な目に合うかもしれません。
常に余力を残しておかないと、巣は存続できません。
彼らは卵の世話を中断することは出来ませんし、巣が外敵に襲われたら抗戦しなければなりません。
パレートの法則は、組織のサステナビリティを支えるため、生物たちに備わった本能です。
もちろん、あなたが仕事をサボっていい理由にはなりません。