自分では他人に流されていることに気づいてすらいない場合も
実験の内容を読みながら、何が言いたいのかを察した人も多いのではないでしょうか。
人は非常に他人の意見に流されます。
とある実験によると、自分が最後に付けた点数と他人が付けた点数の差は11点でした。
しかし、自分が最初に予想した点数との差は22点もありました。
つまりこれは、実際に体験する前よりも後の方が倍も他人の意見に流される、ということです。
そして奇妙なことに、本人たちは『結果は他人の評価よりも自分の予想に近くなるだろう』とまで事前に予想するのです。
その結果がこのように真逆ときたものですから、面白いですね。
さらに、自分では他人に流されていることに気づいてすらいない場合もありますから、いかに人間が重大な錯覚を抱えているかがわかります。
この勘違いを行動経済学ではアドバイス錯覚と呼びます。
洗脳やマインドコントロールという恐ろしい言葉がありますが、悪い人がこういった心理を利用するのは悪徳ではあっても合理的だということです。
体が栄養でつくられるならば、判断は情報でつくられます。
有害な情報がいかに人の判断力をむしばみ、有益な情報がいかに人の判断力を研ぎ澄ますかをわかりやすく伝えてくれる内容ですね。
参照
Personal Judgments A
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