大正時代

精子を体外に出ないようにする若返り法を掲げた九大教授

大正時代の日本で行われていた若返り手術

人類永遠の悲願、「若返り」

そのための手術が、大正時代の日本で行われていました。

実施したのは、九州帝国大学(現九州大学) 医学部の榊保三郎(さかきやすさぶろう)教授です。

彼が利用したのは、ウィーンの生理学者ユージーン・スタイナハの考案したスタイナハ若返り法です。

スタイナハは、生物が老化する大きな要因は生殖腺の衰退にあると推測していました。

性ホルモンを活性化させれば若返りに通じると考えたのです。

そこで、輸精管を縛って精子が体外に出なくなるようにすれば、精子にある性ホルモンが血流に入り込んで全身を駆け巡るとの仮説を立てます。

このスタイナハの若返り法に注目した榊は、56歳の患者にこれを施術しました。

すると手術の2ヶ月後には患者の便秘が解消され、食欲も増加し、白髪も減ったとの結果を発表しました。

ところが、日本に先んじていた欧米では、期待したほどの効果が得られないとの報告が相次いでなされ、日本国内でも榊の実験結果に疑義が呈されました。

さらに、榊を含む数名の医師が公務以外の時間に患者を診察し、特別報酬を懐に入れていたことが発覚します。

この九州帝大特診疑獄事件で辞任に追い込まれた榊は事件の4年後に他界し、彼の死とともに夢の治療法も世間から忘れられていきました。

参考 (やっぱり第九が歌いたい:11)なるべくして日本の文化に 「国内初演」原動力 ...
Tama

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