生徒をナチス党員に変えたサードウェーブ
アドルフ・ヒトラーを指導者としたファシズム組織「ナチス」。
現代でもこのような組織が登場したら、人々は支持するのでしょうか。
それを確かめるため1969年、カリフォルニア州カバリー高校の教師ジョーンズは歴史の授業で、実際にクラスにナチスを再現した擬似組織を作る体験授業を行いました。
ジョーンズはこの取り組みを「サードウェーブ」と名付け、常に姿勢を正す、 質問の前に許可を求めるなど細かなルールを制定しました。
そしてヒトラーよろしく「これは自分を指導者とする反民主主義運動である。 我々は崇高な目的のため団結しなくてはならない」と熱弁したのです。
すると、日を追うごとに生徒達の行動は一体化され、ジョーンズの意図せぬ行動まで出始めます。
共通の腕章や軍旗風の旗を自主的に用意し、服装や髪型も可能な限り統一、外部への勧誘まで始めたのでした。
しかも、 批判者達には差別感情を露わにし、暴力行為すら辞さず制裁を加えました。
結局、この実験はジョーンズが「君達が信じたものの正体を見せよう」とヒトラーとナチス党員の映像を見せたことで生徒達が我に返り、終了しました。
その期間はたったの5日。
つまり、この短期間で誰もがナチスになり得ると証明してしまったのです。
参照 Did a History Teacher's 'Third Wave' Nazi Social Experiment Go Too Far?