好適環境水: 山中で行われる養殖
山中で養殖される魚がいます。
今回は、「好適環境水」という新技術について紹介します。
なぜ、海ではなく山なのでしょうか。
その前に、魚と海水の関係について知ってください。
海水魚の体液の塩分濃度は約1%です。
そして、海水の塩分濃度は約4%なので、魚の体内の水分は、徐々に体外へ放出されます。
なぜなら、水は濃度が低いところから高いところへ移動する性質を持つからです。
この性質を「浸透圧」と呼びます。
なので、魚にはその性質に対抗する能力が備わっています。
海の魚は、口から海水を吸収し、不要な塩分をエラから排出します。
このようにして水分を補給し、体内の塩分濃度を調整します。
ここからが本題です。
この動作のために、魚は大きなエネルギーを消費します。
もしこれがもっと簡単に済めば、魚たちの成長は速まり、養殖はより円滑になるでしょう。
そこで好適環境水は開発されました。
これは、塩分濃度の低い、人工の海水です。
好適環境水の塩分濃度は約1%です。
これは魚の体内とほぼ変わらない数値なので、魚の生活に支障はありません。
実際の海水の4分の1ほどの塩分濃度なので、体内でより簡単に処理できます。
海の近くよりも、山中の方が綺麗な水が手に入りやすいため、好適環境水を使った養殖は山中で行われます。
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