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【虹色の謎】タマムシ、シャボン玉、CDの裏側の虹色は色素ではない

タマムシとは、見た目こそ美しいですが、疑問が残ります。

あの野生の生物とは思えない金属のような光沢は、一体何なのでしょう。

タマムシの独特の光沢は、実は単純な色彩とは少し違います。

タマムシの羽は多層から成っており、その各層の厚さがそれぞれ異なっているため、反射される光の色合いが変化してしまいます。

これが、あの金属光沢が生まれる理由です。

考えてみれば、タマムシに限らず、カナブンコガネムシにも同様の種が存在しているではありませんか。

このように、単なる色素ではなく光の波長やそれ以下の微細構造によりもたらされる色合いを「構造色」と言います。

身近な例でいうと、CDの裏面やシャボン玉が虹色に見えるのも同様に構造色です。

シャボン玉を、誰しもが見たことがあります。

そして、それが虹色に輝くということを、誰しもが知っています。

しかし、原液は無色透明のシャボン玉が一体なぜ虹色に輝くのか、知る人は少ないです。

それは、光が波の性質を持つからです。

波には「干渉」という以下のような性質があります。

2つの波が互いに交わるとき、丸く膨らんだ曲線の同じ向き同士が重なり合うと、波は強化されます。

一方、ずれて交わると弱化されます。

そしてシャボン玉は、約1,000分の1mmの薄い膜で出来ています。

その膜の内側と外側で反射された光の波は、その厚さの分だけずれています。

その2つの光において先ほど説明した干渉が起こるため、そのずれた光の波が強化される部分とそうでない部分が発生するのです。

つまりその2つの光の波長が合えばその色(光)はよく見えるが、合わなければ見えにくくなってしまいます。

更に、膜自体の厚さも場所によって異なる上、太陽光はさまざまな波長の色(光)を含みます。

こうした理由で、虹色に見えるという現象は起こるべくして起こるのです。

他にも、似たような事例は多数あります。

  • 雨が降った後に空に浮かぶ虹
  • 水に浮いた油膜が虹色に輝いて見える
  • コガネムシの羽が虹色に見える

基本的には『薄い膜の両側に反射した光のずれ』がポイントです。

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