プラシーボ効果とは?簡単にわかりやすく解説!

【答え】①『これは心理テストです』と説明したグループ

結果は、心理テストと説明したグループのほうがより多くの単語を覚えていました。

暗記力テストとして説明されたグループのほうが上手く暗記できなかったのです。

興味深いですね。

ポイントは、被験者が全員60歳以上の高齢者だというところにあります。

年配の人は、『年をとると記憶力が落ちる』という強い先入観を持っていあます。

皮肉なことに、この先入観こそが、実際に暗記力を低下させる最大の要因なのです。

この実験では、②の暗記グループは①の心理グループに比べ、暗記力が約半分しか発揮されませんでした。

驚くべき差です。

ちなみに、これを若者を対象に行なった場合、同じ結果にはならないことが知られています。

そう、多くの若者はまだ記憶力に不安を抱いていないからです。

これの現象は記憶力に限ったことではありません。

例えば加齢により体力が低下することは事実ですが、自分もそうだと思いこむこと自体がさらなる低下を引き寄せるとしたら、もったいないと思いませんか。

これを行動経済学ではプラシーボ効果と呼びます。

この効果は上手に逆用されている事例もあります。

例えば医療現場で使われる偽薬は、この効果の最たる逆用術ではないでしょうか。

実際には薬理作用のない物質を投与しても、医者に『これは薬です』と聞かされることで望む治療効果が得られるのです。

この場合、医者への信頼が大きければ大きいほど、治療の効果も大きいと言われています。

これはとんでもない発明です。

参照
The power of the placebo effect - Harvard Health

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