中国の共産主義に対抗した秘密結社「チンパン」

上海の裏社会を牛耳り政治の世界に進出した青幇

戦前の中国には青幇(チンパン)という秘密結社がありました。

「幇」とは互助会や同業者組合を意味する言葉で、元は上海で結成された水運業者の互助会でした。

しかし、組織は裏社会で急成長し、新国家樹立に大きく関与するほど拡大していくのでした。

19世紀半ば、欧米列強が中国に進出して不平等条約を押し付け、不当な土地取引を行うようになると、中国各地で混乱が続き、水運業が不況に陥りました。

そこで職を失った青幇のメンバーは、裏稼業に手を染めるようになります。

手がけたのは、麻薬の取引、売春宿の経営、賭場の開帳などです。

特にアヘンの密売によって莫大な資金を蓄えました。

そして、上海の他の地下組織との抗争の末、中国全土に影響力を及ぼすまでにいたったのです。

こうした秘密結社の協力を仰いだのが、中華民国建国の父・孫文です。

孫文はこの中国版マフィアと結託して敵対勢力を攻撃し、清国崩壊の足掛かりをつくりました。

孫文死後も青幇は国民党と協力して共産主義勢力に対抗しており、政治的に大きな力を持ち続けています。

1950年代になると勢力が後退して解散したとされていますが、裏社会への影響力は、未だ根強く残っています。

参考 Qing Bang | Hokuto Renkitōza | Fandom

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