頭蓋骨をドリルで貫いて鬱病を治す?実在した恐怖の手術とは!
鬱が治る代わりに廃人と化す?あまりにもハイリスクなロボトミー手術とは!
1935年、うつ病の治療法として、とんでもない恐ろしい手術が発表されました。
後に全世界で話題となった「ロボトミー」と呼ばれるその手術の最大の特徴は、なんと脳の神経を切断してしまうことです。
というのも、脳にメスを入れるため、まず頭蓋骨にドリルで穴を開けます。
そしてメスで前頭葉の神経繊維を切断し、繊維群の再結合を促します。
実際に施術を受けた患者のうつ病は治ったなどというレベルではなく、脳感覚が遮断されたため、人間らしさまで失うなどの結果に終わったそうです。
それでも次々と手術は行われました。
1940年代には、とあるアメリカの神経外科医は患者に局所麻酔をかけ、いきなり眼窩(がんか)からアイスピックを挿入するというより簡単(?)な手法を編み出しました。
しかし手術のグロテスクさは健在で、それはアイスピックを使って小槌を打ち込み、神経繊維を切断するというものでした。
そして更におぞましいことに、神経繊維の切断時はあくまで「勘でやっている」とのことでした。
それでも精神病院でロボトミーは定番の治療法となり、約3,500人が施術を受けました。
そして提案者であるポルトガルのエガス・モニス博士は、この功績が称えられノーベル医学賞を受賞しています。
しかし、施術を受けた患者の以下のような後遺症は無視できないものでした。
- 人間味がなくなる
- 生活態度に節度がなくなる
- 何に対しても無関心になる
1949年に「クロルプロマジン」という新しい精神安定剤が開発され、それに代替される形でロボトミーというリスクの高い治療法は姿を消しました。
しかし、この手術を受けて社会生活が厳しくなった日本の患者が、復讐のために施術を担当した医師の家族を殺害するという凄惨な事件が1979年に起きています。
参照
When Faces Made the Case for Lobotomy | NIH Record