女性の昇進を阻む格差と諸悪の根源
女性の社会進出を妨げる見えない壁
グラス・シーリングとは直訳で『ガラスの天井』となります。
これは世界中の組織に存在する『弱い立場にある人の出世を妨げる、目に見えない壁』という意味でも使われます。
昨今、この風潮を打ち破る動きが見てとれるのは喜ばしいことです。
オランダの有名出版社、エルゼビア社の専門誌「カレン・バイオロジー」で紹介されたシャチの生態の研究について紹介します。
アメリカ大陸の東側の海岸で約9年間に渡り実施された研究は、とても興味深いものでした。
というのも、更年期を迎えたシャチのメスはオスに比べて、群れのリーダーになる確率が倍以上も高かったというのです。
食糧のサケを捕食する際、群れを導くリーダーを担っていた多くのシャチは、更年期のメスだったといいます。
更年期を迎えた動物のメスは生殖力で劣るため、集団への貢献度は比較的低いと思われがちです。
しかし、この実験からは、例え生殖能力が衰えても鍛えられた知見や経験則が功を奏する場合は少なくないことが判ります。
このシャチの法則に当てはまる事例は、人間界でも散見されます。
ドイツのアンゲラ・メルケル元首相や、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相らが一国のリーダーたりえた実例は、まさしく昨今における世界の模範とも言うべきではないでしょうか。
参照
Glass Ceiling Definition – Investopedia