人質が犯人に恋をし婚約まですることがある?ストックホルム症候群
人間は極限状態に陥ることで、判断力や認知力が混乱する
誘拐されて監禁されれば、犯人を憎むのが当たり前です。
ところが、人質が心まで支配されて言いなりになる、あるいは恋をするという現象も起こりうるようです。
それが有名な「ストックホルム症候群」 です。
1973年、ストックホルムの銀行に機関銃で武装した2人の強盗が押し入り、彼らは4人の銀行員を人質に取りました。
しばらくして警察は突入を試みましたが、人質たちは助けを求めるどころか警察に歯向かい、犯人をかばう発言を繰り返したのです。
しかも、そのうちの女性銀行員は強盗のひとりと恋をし、のちに婚約までしています。
その翌年には、ロサンゼルスで18歳の少女が左翼組織に拉致され、2ヵ月間にわたって暴行を受け、監禁されるという事件が起きます。
しかし少女は、最終的に組織の男性と恋仲になり、 積極的にテロ活動に加わるまでになってしまいました。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか。
人間は極限状態に陥ることで、判断力や認知力が混乱することがあります。
それが大きな原因と考えられています。
緊張感の高い、しかも狭い環境で犯人に優しくされると、それだけで自分は特別な恩恵を受けていると勘違いしてしまうのです。
また、精神的ダメージを防ごうと自己防衛反応が起こり、無意識に犯人と感情を一体化するという説もあります。
参照
Stockholm Syndrome