独裁者ムッソリーニが今でもイタリアで人気の理由

イタリアでは今でもムッソリーニの人気が高い

イタリアで好きな政治家を尋ねたとき、常に名が挙がるのがベニート・ムッソリーニだと言われます。

ムッソリーニといえばファシスト党を率いて政権を掌握し、第二次世界大戦では連合国と戦った独裁者の名前です。

大戦末期には正式な裁判にかけられることもなく処刑され、遺体は放置されたのち、逆さ吊りにされました。

このような人物に、なぜ人気があるのでしょう?

理由の一つは、当初の経済政策です。

第一次世界大戦後の不況でインフレ状態にあったイタリアですが、ムッソリーニは大幅な公共工事への投資で農業国だったイタリアを工業化し、成功を収めました。

また、人種差別に否定的だったり、社会福祉政策を推進したり、マフィア撲滅に力を注いだりもしました。

さらに、ラテラノ条約によってバチカンを国として認めたのもムッソリーニによる政策です。

そして1970年から80年代になって政情が不安定になり、経済が悪化すると、国民の価値観に変化が訪れました。

「ムッソリーニの時代はよかった」という懐古ムードが広がり、特に大衆に迎合するポピュリストや極右主義者に受け入れられたのです。

ムッソリーニの故郷には記念碑が設けられ、絶えず花が捧げられています。

そして、命日などにはネオファシストの支持者が大挙して訪れるといいます。

参考 Benito Mussolini and the rise of fascism in Italy

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