メンバーは魔術で体を消している?「薔薇十字団」
オカルト組織「薔薇十字団」
17世紀初頭のヨーロッパにて王侯貴族の注目を浴びていた秘密結社 「薔薇十字団」。
中世の社会に突如出現した薔薇十字団のメンバーは、リーダーから末端に至るまで神々の英知を極めた、人知を超える類まれなる術者ばかりだったといいます。
組織の目的は、死の克服と社会の変革による民衆救済です。
メンバーは魔術で姿を消しているため見ることはかなわず、 結界を張られた拠点の発見も不可能とされました。
このような情報は、1614年に忽然と現れた怪文書「友愛団の名声」に記されていました。
また、翌年に続編「同胞団の信仰告白」、翌々年に組織を解説した幻想小説 「化学の結婚」 が発見されました。
錬金術や魔術を駆使するというその内容にヨーロッパの貴族は魅了され、 薔薇十字団ブームは最高潮に達するのでした。
この3冊の著者は長年不明とされていましたが、ドイツの聖職者ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエが自伝の中で、小説の練習として仲間と執筆したと証言しています。
このことから、 薔薇十字団騒動はアンドレーエの習作が外部へ流出し、影響された権力者が実在しない秘密結社を追い求めたことが真相だとされています。
ただし、アンドレーエが執筆した証拠は自伝以外にはなく、本当に作者かどうなのかは不明なので、薔薇十字団の存在を信じる者は未だに少なくありません。
参考 【知ってはいけないドイツの秘密結社】薔薇十字団 - 幻想の近現代