切り落とした性器にを信仰の証とするロシアの教団
帝政ロシア時代に存在した秘密結社「スコプチ」
18世紀末のロシアに存在したスコプチとは「去勢された者」を意味するキリスト教の一派です。
その名の通り、自らの性器を切り落とし、それを信仰の証とする過激な教団です。
スコプチの教祖はコンドラティ・セリワノフな
る人物で、もとは逃亡奴隷だったそうです。
彼は、この世の諸悪の根源は肉欲にあるとし、それを根絶するためには去勢以外に方法はないと主張していました。
さらには「全人類に対し去勢を行う」ことをスコプチの最終目標として掲げたのです。
去勢は男性のみならず、女性にも乳房の切除と
いう形で実施されました。
手術にはハサミやナイフの他、熱した鉄棒などが使われたといいます。
切除部分がメンバーの面前で炎に投げ込まれたことから、信者たちはこの儀式を「火のバプティスマ(洗礼)」と呼びました。
またスコプチの中には金融業者もいましたが、彼らは金を貸す際、睾丸を抵当に取り、返済できない場合には去勢させ、信者にしたと伝えられています。
スコプチの勢力拡大を恐れたロシア政府は、セ
リワノフを逮捕しました。
彼は獄中で亡くなるも、その爪痕は大きく、20世紀初頭には10万人以上のスコプチが存在したと推定されています。
参考 The Skoptsy: The story of the Russian sect that maimed for its beliefs