ノルウェー女性をドイツへ送り親衛隊との性交渉を強要したナチス
アーリア人至上主義を目指したレーベンスボルン
ナチス・ドイツが行ったユダヤ人の大量虐殺は、「アーリア人がもっとも優れた人種」という「アーリア人至上主義」に基づいていました。
そのため、ナチスはアーリア人を繁殖させる計画も進めていました。
それが「命の泉」という意味を持つレーベンスボルンです。
アーリア人の特徴は「金髪碧眼・高身長」であり、北欧系の人々がその要素を多く持っていました。
そこでナチスは、1940年に占領したノルウェーの女性たちを強制的にドイツへ送り、ナチス親衛隊隊員との性交を強要しました。
誕生した子どもは1万2000人以上とされています。
この計画の目的はアーリア人だけで編成された軍隊の創設でしたが、誕生した子どもを兵士として活用するには10数年以上の時間がかかります。
これにもどかしさを感じたナチスは、アーリア人的要素のある子どもを各地から集めてくる方法を採用しました。
ポーランドやチェコ、フランスなどの国々から子どもを手当たり次第にさらっていき、20万人近くが無理矢理親元から引き離されました。
しかし、1945年にドイツが降伏すると計画は中止となりました。
母親の多くは子どもを置き去りにして故郷へ帰りましたが、ノルウェーでは計画にかかわった女性を裏切り者とし、国籍を剥奪するケースもあったといいます。
参考 My Child Lebensborn