ロシアの情勢の基本は「国土」「艦隊」「寒さ」

アメリカや中国に並ぶ大国、ロシア

ロシアは世界で最も大きい土地を持つ、ランドパワー国家です。

まるで大陸を支配するかのように位置しており背後には北極海、東西はアジアからヨーロッパまで達する巨大な国土を持つ国家です。

最大のランドパワーだけあってその力も強く、 中国が強くなるまではロシア(旧ソ連)とアメリカの2大国家で睨み合っていました。

シーパワーも隠し持つロシア

陸上では最強に近いロシアですが、実は海でも強い力を持ちます。

日本や朝鮮半島の近くのウラジオストクという街に太平洋艦隊、ウクライナのクリミアに黒海艦隊、そして飛び地であるカリーニングラードにバルト艦隊、北極圏に近いムルマンスクに北方艦隊があり、それぞれ周辺の海を見張っています。

寒い土地が武器になるロシア

ロシアは国土が大きいだけでなく、とても寒い国だということは有名です。

これは他の大国にはないロシアの最大の武器と言えます。

例えば、ナポレオンが率いたフランス軍も、第二次世界大戦で戦ったドイツ軍も、ロシアの寒さに打ち勝てずに敗北しました。

こうした土地や気候を利用したランドパワーならでは力が、ロシアの戦略のもとになっています。

他国からしても寒くて攻めにくい反面、自分たちが上手く動けないこともあります。

ロシアの寒さはロシア国内でも大問題で、秋ごろからロシアでは港が凍って船が出せなくなります。

港が使えないと船を使った貿易も出来ず、戦争でも船が使えません。

寒さは武器であると同時に経済的にも軍事的にも大きなマイナスを孕んでいるのです。

凍らない港を求めて南へ南へと進もうとするロシア

ロシアはら昔から年中凍らない港を手に入れるべく、他国に攻め込んできました。

より暖かい国がある南の方面へ、凍らない港を求めてきました。

ロシアが南に進もうとする政策を南下政策と呼びます。

南下政策には、3つの道があります。

日本や朝鮮があるアジア方面の道、アフガニスタンやインド方面に向かう道、そしてロシアと隣り合わせている黒海やバルト海への道です。

ロシアは常にこれらの道に沿って軍隊を進攻させてきました。

南下政策は、19世紀に行われていたことですが、現代でもロシアが世界へ進出する道になっています。

参考 Southward and Eastward Pressure on Russian Forces

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