差別を助長するとして放送禁止だった日本の歌謡曲とは
美輪明宏の「ヨイトマケの唄」は放送禁止曲だった
2012年の「紅白歌合戦」で披露されて絶賛された、美輪明宏の「ヨイトマケの唄」。
普段は落ち着いた雰囲気の美輪明宏から、力強く親への愛情に満ちた唄が飛んできたことに、衝撃を受けた人は少なくありません。
同曲は、1965年にテレビで発表されたときにも大きな反響を呼び、 レコードの売上は40万枚を超えるヒットとなりました。
しかし、大きなヒットを記録したにも関わわらず、 この曲は「要注意歌謡曲」になって長い間放送禁止曲のように扱われ、テレビで流されることがなかったのです。
問題視されたのは、「ヨイトマケ」というフレーズそのものです。
土方として働く労働者をヨイトマケといいましたが、これが職業差別を助長するとして、いつしか表舞台から消えたというのです。
しかし、正確な理由はよくわかっていません。
要注意歌謡曲の制度は1983年に廃止されましたが、そのときのリストには、「ヨイトマケの唄」は入っていません。
それでも、その後にヨイトマケの唄がテレビで流れることはありませんでした。
長い間規制されてきたこともあり半ば忘れられた唄となっていましたが、2000年以降に音楽関係者の尽力で、再び日の目を浴びることになりました。
参考 ヨイトマケ(よいとまけ)