多数の船員が不審な死を遂げたフィラデルフィア実験とは
米軍による恐怖のタイムリープ
艦上における極秘実験の失敗で、乗組員の大半が不審な死を遂げました。
しかも、船は一瞬姿を消して遠く離れた場所にテレポートしていました。
そんなSFのような出来事が起きたとして話題になった都市伝説が、フィラデルフィア実験です。
事件が明らかになったのは、1950年代、カルロス・マイケル・アレンデという男が実験に関する告発文を作家や海軍に送ったことによります。
事件が起こったとされるのは1943年10月のことでした。
その少し前、アメリカ海軍はドイツ軍の索敵から逃れるため、艦表面の磁場を消す方法を探っていました。
そこで海軍は、強大な電力を生み出して艦上の磁場を消す実験を計画します。
フィラデルフィアの工廠において、駆逐艦エルドリッジが実験の舞台です。
磁場の消失が人体に与える影響を観察するため、多くの海兵が乗せられました。
実験開始当初は問題ありませんでしたが、しばらくするとエルドリッジは乗組員とともに数秒間消失しました。
約320km離れたノーフォーク軍港で、エルドリッジらしき駆逐艦が目撃されたといいます。
再び姿を現したときには船内が丸焦げになっており、実験器具は全壊していました。
乗員の大半が異常な態で死亡しており、全身が焼け焦げた者、体中が凍りついた者、壁に体がめり込んだまま発見された者もいたそうです。
実験は即座に中止されてデータは破棄され、実験自体がなかったものとして、封印されることになりました。
これらが事実なら恐るべきことですが、結論からいえば、このタイムリープ事件は信憑性が極めて低いといえます。
エルドリッジは当日別の場所にあった上、海軍は事件を否定しています。
しかもアレンデの証言は支離滅裂で、実験があったことを証明できるものではありませんでした。
工場でなんらかの実験が行われていた可能性はあるものの、その規模は小さく、人が死ぬようなことは考えられません。
偶然実験を目撃したアレンデが大規模な実験だと早合点したという見方が有力です。
ただ、海軍に友人がいたのは事実のようで、 実験内容を勘違いして広めてしまったといったところでしょう。
参考 This Is the Truth Behind WWII's Creepy Philadelphia Experiment