撮影中に起きたハリウッド史上最悪の死亡事故
「トワイライトゾーン/超次元の体験」の撮影中に起きた悲劇
- 『ジョーズ』のスティーブン・スピルバーグ
- 『マッドマックス』のジョージ・ミラー
- 『ハウリング』のジョー・ダンテ
- マイケル・ジャクソン「スリラー」PVのジョン・ランディス
この4人の大物クリエイターが若手時代に撮った映画が、1984年公開の「トワイライトゾーン/超次元の体験」です。
オムニバス形式で4人それぞれが映像をつくり、全4話が制作されました。
気鋭の監督たちの作品にしては知名度が低いですが、それもそのはず、本作は公開から20年以上ソフト化されず、長く日の目を見る機会がありませんでした。
その理由は、撮影中に俳優が死亡するという、ハリウッド史上最悪の事故が起きてしまったからです。
事故は、第1話を担当したジョン・ランディスの撮影中に起きました。
主役を演じるヴィック・モローが敵の追跡をかいくぐり、 戦場にとり残されたふたりのベトナム人の子どもを抱えて脱出を試みるという、クライマックスのシーンです。
ランディスの合図でモローが子どもを抱えて走り出すと、思わぬことが起きました。
背後では仕掛けた爆薬が激しく爆発しています。
そこへ軍用へリが接近してきましたが、爆風によってバランスを崩し、操縦不能に陥りました。
ヘリの先には、モローの腕から滑り落ち、川に落下した子どもの姿があります。
次の瞬間、ヘリは子どもを押し潰しました。
さらに、墜落したヘリのプロペラが回転を続け、モローともうひとりの子どもの首をはね上げたのです。
映画自体は映像を差し替えて公開されました。
しかし、ランディスは過失致死罪で起訴され、検察から痛烈な批判を受けます。
結局無罪となったものの、それ以降のランディスの作品には痛快さが消え、暗い影がともるようになりました。
参考 Actor and two children killed on "Twilight Zone" set