ナチスがアーリア人を増やすために行った双子の人体実験

強制収容所で行われたメンゲレの双子実験

毒ガス実験、細菌感染、強制断種など、ナチス・ドイツが戦中に繰り返した人体実験の数々は、最悪の戦争犯罪として今も恐れられています。

そうした実験に携わった研究者で、もっとも有名な人物がヨーゼフ・メンゲレです。

メンゲレは多くの実験に関係しましたが、もっとも有名なのは、双子を用いた実験でしょう。

しかし、メンゲレが双子に執着していた理由は、アーリア人の出生数を上げるためです。

1回の出産で必ず双子が生まれれば、単純計算で人口の増加速度は2倍になります。

そうした考えから、メンゲルは双子への人体実験を繰り返していったのです。

実験対象となった双子の子どもたちは次々と実験室へと連行され、体の違いの比較から眼球への薬物注射、正常な臓器の摘出、四肢の付け替え手術などが施されます。

中でも狂気に満ちていたのが、結合双生児実験です。

双子の臓器が同時に機能するかを調べるために、兄弟の体を裂いて一つに縫合するという、いわば人工的にシャム双生児を作ったのめす。

当然、実験は失敗し、双子は繋がったまま苦しみました。

その姿に耐え兼ねた両親の手で、彼らは殺されています。

メンゲレがモルモットとした双子は約3000人いるとされ、その中で生き残ったのは僅か180人ほどだといわれています。

参考 Josef Mengele | Holocaust Encyclopedia

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