
戦後の日本で計画されたクーデター「三無事件」とは!?
国内のクーデターは戦後にも起きていた!
日本のクーデターと言えば、戦前の五・一五事件や二・二六事件を想起する人が多いでしょう。
しかし戦後にも、国家転覆を目論む者による事件が起きていました。
それが1961年12月に起きた三無事件(さんゆうじけん)です。
事件の首謀者は川南豊作(かわなみとよさく)という国家主義者でした。
戦前、彼は川南工業という造船業会社を設立しました。
川南の目的は、1960年代の安保闘争により台頭した共産主義や左翼勢力を根絶することでした。
そのため、共産主義を容認する政治家には反対していました。
その仲間には五・一五事件に加担した元海軍中尉の三上卓や、2013年に朝鮮総連本部の建物を落札した池口恵観も在籍していました。
「三無事件」と呼ばれるのは、彼らの以下の3つの政策に由来します。
官公庁の大幅人員削減による「無税」
他国からの侵略を防ぐ「無戦争」
大規模公共事業により失業者を救済する 「無失業」
川南らは国会を占拠し、臨時政府を樹立する計画まで立てましたが、事前に計画が先方に発覚し、破壊活動防止法違反により逮捕されました。
こうして事件は未遂に終わりましたが、 新宿区などにあったアジトからは、多数の日本刀や防毒マスクが押収されました。
計画が実行されていれば、大惨事になっていたことは間違いないでしょう。
参照 definition - 三無事件