突然あなたの大切な人が偽者に変わる!カプグラ症候群

親しい人を偽者だと思い込む疾患

いつも顔を合わせている家族やパートナーが、いきなり偽者に入れ替わっていると思い込むのがカプグラ症候群です。

この疾患の厄介なところは、患者がその理由を、相手が自分に害を及ぼすためだと考えることです。

警戒心や恐怖心から暴行を加えたり、家族を人型ロボットだと思い込んで壊そうとしたり、最悪の場合殺害するという事件も起こっています。

なぜ、こんな恐ろしい疾患が起こってしまうのでしょうか。

いくつかのケースから、相手を偽者だと思い込むのは面と向かった状況に限定されることがわかりました。

電話で話すときは相手を偽者ではなく本人だと認識していることがわかったのです。

つまりカプグラ症候群の患者は、何らかのきっかけで視覚情報による認識に狂いが生じると考えられています。

ちなみに人は脳の側頭葉という部分で人物の顔を知覚します。

また、視覚情報を受け感情が生じるのは右前頭葉です。

ここになんらかの障害が起こった場合、カプグラ症候群を発症する可能性があると思われます。

しかし、今のところ有効な治療法はありません。

過去に発症した患者も、ある程度症状を改善することはできても、相手に対して昔のような親近感が戻ることはなかったといいます。

参照 Capgras Syndrome - StatPearls

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