イタリアで6000人以上のメンバーを抱えるカモッラとは
ナポリを牛耳るギャング団「カモッラ」
風光明媚な観光地として名高いイタリアのナポリですが、この華やかな街にも暗部があります。
それが犯罪結社「カモッラ」の存在です。
カモッラは19世紀初頭にスペインの移民を中心に結成されました。
組織名は、イベリア半島中央地域のカスティーリャ語で「暴力的闘争」を意味するといいます。
結社の首領は、男性ながら 「神聖なママ」と呼ばれました。
メンバーは物乞いや窃盗を行う下級クラスと、恐喝や強請を生業とする上級クラスで構成されます。
主な収入源は、賭場や売春宿の売上のピンハネであったといいます。
これだけ見るとただの暴力組織ですが、実は治安部隊の役割を担った過去もあります。
19世紀のイタリアは小国家に分かれ、統一に向けた革命運動で社会が混乱していました。
信頼できる政府もなかったため、ナポリ市も力のあるカモッラに治安維持を任せたのです。
現在もカモッラは6000人以上のメンバーを抱え、大きな存在感を誇示しています。
例えば、カモッラはナポリの産廃ビジネスを牛耳っていましたが、市は彼らを排除すべく2008年にゴミ焼却場の建設を計画します。
これに対しカモッラは大規模な反対運動を起こし、既存のゴミ焼却場も閉鎖した結果、ナポリは街がゴミで溢れかえる事態になったのでした。
参考 Camorra