無理に覚えるな!繰り返し思い出せ!
覚えるな、思い出せ。
覚えることと思い出すことを、反対のことのように私たちは考えますね。
ここで、”Remember”という英単語を思い出してください。
”Remember”とは「覚える」という意味ですが、同時に『覚えている』つまり、『思い出せる』という意味でもあるのです。
人の脳は莫大な情報を記憶することが出来ますが、何でもホイホイ覚えることは出来ませんよね。
人の脳がコンピューターならば、容量の範囲内で好きに情報を記憶出来ますし、好きなときに思い出すことが出来ます。
脳は入ってきた情報を、記憶すべきものとそうでないものに選別します。
今あなたが読んでいるこの記事を、暗記している人はいないと思います。
それは、脳がその必要はないと判断しているからです。
ちなみに、あなたがいくら頑張っても、脳がそう思ってくれない限り、暗記することは出来ません。
では、脳はどういう情報を好んで記憶するのでしょうか。
それは、頻繁に思い出される情報です。
脳は外から新しく入ってくる情報よりも、一度入ってきたもののうち、逆に外へ引き出される情報が好きなのです。
参考書や教科書をよく読む学生よりも、テストをたくさん受ける学生のほうが、点数は上がります。
脳の容量は莫大です。
無理に覚えようとせず、どんどん情報を流し込みましょう。
そして、必要なことだけを思い出すことに力を注ぐのです。
脳に情報を入力 → いつでも出力できるようになる
というふうに私たちは考えがちですが、実際はそう上手くはいきません。
脳に情報を入力 → 実際に出力する → いつでも出力できるようになる
という構造になっているのです。
これを行動経済学ではテスト効果やテスティング効果と呼びます。
一見、面倒にも思えますが、これは素晴らしい機能なのです。
必要のないものまでいつでも出力されてしまっては、逆に人の判断は狂ってしまうからです。
集中して暗記に徹するよりも、繰り返し思い出す練習をしたほうがはるかに記憶に残る、これは間違いありません。
参照
Testing Effect - Teach.com