ナチスドイツ設立の母体!トゥーレ協会とは?
ナチスの設立の母体となったトゥーレ協会
第二次世界大戦中、ナチスドイツは独裁体制を敷いていました。
そんなナチスの成立に、多大な支援を行ったのがトゥーレ協会でした。
1912年、ドイツのオカルティストたちは、アーリア人至上主義と反ユダヤ主義を掲げるゲルマン騎士団を創設しました。
その6年後に設立されたバイエルン支部が、後のトゥーレ協会です。
やがてトゥーレ協会は政治色を強め、反共産主義勢力に資金や武器を提供し始めました。
そして1919年には協会の会員らがドイツ労働者党を結成、後のナチスです。
トゥーレ協会の会員にはルドルフ・ヘスら、ナチスの重鎮が名を連ねました。
中でも、ドイツ労働者党創設者の一人であるディートリヒ・エッカートは、30代のころのヒトラーに多大な影響を与えたことで知られます。
ヒトラー自身はトゥーレ協会には入っていませんでしたが、エッカートから反ユダヤ主義や民族主義、果ては黒魔術、悪魔との交信方法を教え込まれたともいわれています。
ハインリヒ・ヒムラーが「ドイチェス・アーネンエルベ」を設立したのも、これらの影響が大きいと考えられています。
「祖先の遺産」を意味するアーネンエルベは、ナチスドイツに存在したアーリア人種の人種学や歴史学の研究を行うことを目的とした公的機関です。
しかし、ナチスは大衆の人気を奪われることを恐れ、オカルト団体や秘密結社の活動を禁止しました。
設立を支援したにもかかわらず、トゥーレ協会はナチスの手によって解散に追い込まれたのです。
参考 Thule-Gesellschaft, 1918-1933