酸素は猛毒?呼吸に不可欠な酸素の知られざる脅威

酸素が人体を破壊する毒になる?

生命活動を維持するために、ほとんどの生物
が必要としている酸素。

酸素がなければ呼吸ができずに死んでしまいますが、一方で、酸素はほとんどの物質と化学反応を起こして燃焼や腐食といった酸化作用を引き起こします。

これがときとして人体に悪影響を及ぼすのです。

酸素が生物の体内に取り込まれるとエネルギーが生み出されます。

それと同時に生物の体をサビつかせる活性酸素も作り出されます。

この活性酸素が細胞膜の脂質を徐々に酸化させると、細胞内にダメージが蓄積し、最終的にはその機能を停止させます。

これがいわゆる老化の促進、動脈硬化、そして細胞損傷によるガンの発生の原因だともいわれています。

また、濃度が2気圧以上の酸素を吸い続けると、中枢神経がやられて手足の痺れや痙攣が起き、吐き気やめまいが現れます。

これが酸素中毒です。

このとき、体内では急激な酸化が進んでおり、放置すると症状は悪化します。

肺の酸化による胸痛や呼吸困難、眼球内の網
膜や毛細血管の損傷が原因の網膜剥離や視力低下などに発展します。

酸素中毒は、空気ボンベを多用する潜水士や宇
宙飛行士が起こしやすいようです。

また、新生児への酸素被害も問題視されていたことがあります。

保育器による高濃度酸素の供給が原因です。

現在は新生児が酸素中毒にならないよう厳しい規制が設けられています。

参照 Oxygen Toxicity - StatPearls

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