体温計に42℃までしか目盛りがないのはなぜ?
体温計の目盛りが42度までなのは当たり前
体温計の目盛りを見てみると、どれも42度までしかないことに気づきます。
どれほど探してみても、43度、44度の目盛りがついたものは存在しません。
その理由は、人間の体温の仕組みと関係があります。
平熱360度の人が、風邪などで体温が37度に上がったら、体がだるくてつらく感じるはずです。
38度になったら、個人差があるにしても、たいていの人はフラフラして、会社を休もうかと迷うでしょう。
39度になったら、ほとんどの人が寝たきりになります。
多少の違いはあるものの、人間にとって体温が1度上がるということは、相当なダメージとなるのです。
実は、人間が生存できる上限の体温は約42度です。
これ以上体温が上がると、その前に絶命してしまう。
そのため、体温計には42度までしか目盛りがないのです。
42度が生存の上限という科学的根拠は、タンパク質の変性にあります。
タンパク質は42度で固まってしまいますが、当然、42度の体温が続けば人間のからだのなかにあるタンパク質も、ゆで卵のように固まっていきます。
一度、固まったタンパク質は、ふたたび元の状態に戻ることはありません。
人間の体のなかには、多くのタンパク質があります。
筋肉はもちろんのこと、血液のな中にも、骨の中にもタンパク質は含まれます。
骨の中のタンパク質比は30%と、骨はカルシウムだけで出来ているわけではないのです。
ちなみに、高熱のときに自分の尿が茶色くなっているのを見たことはありませんか。
これは、タンパク質の分解が起こり、そのため色素量が増えた結果なのです。
参考 What is a fever? | Top Doctors