ランニングマシンは囚人を強制労働させるための刑罰器具だった

ランニングマシンは刑罰器具だった

現在、フィットネス用品の定番として知られているランニングマシンはもともと、19世紀のイギリスで刑罰器具として使われていました。

そもそも、ランニングマシンという言葉は和製英語で、英語では「踏み車」を意味する「トレッドミル」 と呼ばれます。

聞きなれない言葉ですが、踏み車とは、囚人を強制労働させるための道具です。

現代のランニングマシンと違い、監獄で用いられたトレッドミルは、中空の大きなシリンダーの外側にステッパーを備えた構造になっており、それを複数の囚人が足踏みをして回転させる仕組みでした。

そして、この作業で生まれた動力は、風車を回したり、穀物を挽いたりする際のエネルギーとして活用されたといいます。

当時のイギリスの監獄法では、16歳以上の囚人は、入獄後の3ヶ月はトレッドミルを行う義務がありました。

この労務は1日6時間も行われたとされるから、過酷な刑罰であったことは間違いないでしょう。

その後監獄法は廃止され、この刑罰器具も消滅するはずでした。

しかし1953年にアメリカのクィントン社がトレッドミルにヒントを得て、モーター付きのランニングマシンを開発します。

こうして囚人を苦しめた刑罰器具は、健康器具に生まれ変わったのでした。

参考 Treadmills Were Meant to Be Atonement Machines

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