ガスマスク開発のために有毒物質を浴び続けた男の末路

※画像はイメージであり、記事内に登場する人物とは無関係です。

ガスマスク開発のために進んで毒ガスを吸った男

第一次世界大戦では様々な兵器が開発されました。

中でも悲惨な結果をもたらしたのが、毒ガス兵器です。

毒ガスをドイツ軍が最初に使用した際、連合国側には十分な知識や備えがありませんでした。

そんな中、ドイツ軍の使用する毒ガスが「塩素ガス」だと特定したのが、 イギリス出身の医師ジョン・スコット・ホールデンでした。

彼は大戦前より、空気中の物質が呼吸に及ぼす影響についての調査を重ねていました。

しかし、その調査方法には危険を省みないものもありました。

なんと有害物質を自ら直接吸い込み、その匂いで種類を判別することもあったといいます。

ホールデンはあらゆるガスを吸い込んでは、発生する症状や血液を逐一記録していきました。

また、それらの兵器に対するガスマスクの開発も彼の急務でした。

仲間とともに研究所を設立した後、ホールデンは開発したマスクを兵士に着用させる実験を行ったりして人体への影響を調べました。

相変わらず有毒物質を浴び続けていたため、肺を悪くし寝込むこともあったといいます。

最終的に、ホールデンは塩素ガスに耐えうる完璧なマスクの開発に成功しました。

そのマスクは前線にいる数千人もの兵士の命を救うことになりました。

参照 John Scott Haldane | British physiologist

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