
五線譜が誕生する前、楽譜には7つも8つも線が引かれていた
楽譜にはもともと五線譜はなかった
楽譜に5本の線が引いてあるのは、線のどの位置に音符を記すかで、その音の高低が一目でわかるからです。
しかし、これはあくまでも西洋音楽の場合です。
邦楽の楽譜に線はありません。
西洋でも、古い時代の楽譜に線は引かれていませんでした。
例えば、古代ギリシャの楽譜は、文字と記号だけでした。
その後、10世紀頃になって、楽譜に線というものを引いたほうが、音の高低がわかりやすいということになりました。
最も当時は、線は5本と決まっていたわけではなく、曲の構成に合わせて、1本だったり2本だったり、それよりも多かったりしました。
グレゴリオ聖歌の楽譜は、ネウマ譜という楽譜を採用しており、ここでは線は4本しか引かれていません。
やがて、線の数がバラバラだと見にくいということで、イタリアのオペラ界を中心として、線の数を統一しようという動きが17世紀のヨーロッパで起こりました。
さまざまな検討を加えた結果、5つの線が一番わかりやすいということで五線譜に決まり、以後、楽譜といえば五線譜になったのです。
五線譜に統一されるまでは、7つも8つも線が引かれた楽譜が存在しました。
参考 The Neumatic Notation Systems of the 9th and 10th Centuries