なぜあなたがそれを選んだのか、本当の理由には気づけないのを知っていますか?
人は自分の選択の理由をでっち上げる?
あなたが街で見知らぬ男性に道を尋ねられたとします。
あなたは目的地の方向を見ながら、親切に説明をします。
その隙に、その男性が別の男性に入れ替わっていたとします。
もし実際にそんなことがあったとして、あなたは男性が入れ替わったことに気づくでしょうか。
信じられないかもしれませんが、8割以上の人は気づきません。
この心のしくみを変化盲と呼びます。
もう一例、考えてみましょう。
あなたは見知らぬ二人の異性の写真を見比べています。
そのうち、あなたの好みの異性の写真を貰うことが出来ます。
選び終えたら、写真は封筒に入れられ、あなたは家に持ち帰ります。
しかし、これは嘘で、実際にあなたが貰ったのは、あなたが選ばなかった方の写真なのです。
さて、ここであなたはこの嘘に気づくでしょうか。
おそらくは気づきません。
この習性は、自ら選んだのにも関わらず間違えるわけですから、選択盲と呼ばれます。
さらに興味深いことに、あなたはこの嘘に気づかない上、その異性を選んだ理由までしっかりと考えています。
なぜそちらを選んだかを訊かれれば、外見が好みだからとか、人柄が良さそうだからとか、屈託なく話すことでしょう。(間違った写真を眺めながら)
自分はそんなに愚かではないと思いますか?
しかし、これはごく自然な人間心理です。
人は、自分の選択に対し、でっち上げてでも理由付けをします。
興味深いのは、自分ではそのでっち上げに気づけないという点です。
『なぜ、あなたはそうしたのですか?』
人がこう訊かれて答えるほとんどの理由には、でたらめが混じっています。
繰り返しますが、本人が嘘をついている自覚がなくとも、です。
参照
Choice Blindness in Psychology – Verywell Mind