忘れようとするほど忘れられない納得の理由
考えないように意識すると3倍も考えてしまう皮肉
『やめたい』と思うことほど、やめられないと思いませんか?
『忘れたい』と思うことほど、忘れられないと思いませんか?
人間、10年も生きていれば、こういう場面に幾度となく出くわします。
なので、逆に、肩の力を抜いて、楽にいきましょうと言いたいです。
何かを『忘れたい』と思っているうちは、忘れられません。
そういうときは、一旦そのことを諦めて、とことん向き合ったほうが精神衛生的とも言えます。
面白い実験を紹介します。
5分間、被験者たちにシロクマに関する記憶を思い出してもらいます。
そして二回目は、シロクマに関することを思い出さいないように5分間準備した後で、思い出してもらいます。
さて、一回目と二回目では、どちらのほうがよりシロクマのことを思い出したでしょうか。
一見、馬鹿げていますが、非常に真理をついた実験です。
「忘れる」というのは、絶望的な自己矛盾を孕んでいます。
何事も「忘れる」という言葉が成立するうちは、少なくともまだ忘れていないからです。
そして皮肉なことに、ただ何かを『思い出せ』と言われるよりも『忘れろ』と言われたほうが、人は強烈にそれを意識します。
先ほどのシロクマの実験では、考えないように意識したほうが約3倍もシロクマのことを考えたといいます。
行動経済学では、この効果をシロクマ抑制目録やシロクマ効果と呼びます。
この人間心理は、さまざまなシーンで私たちの足を引っ張ります。
- ダイエットしようと思えば思うほど食べたくなるスイーツ
- 好きになってはいけないと思えば思うほどハマってしまう禁断の恋
- 思い出すだけで凹んでしまう、過去の辛い経験
これは人間である以上、仕方のないことです。
辛いときほど無理に忘れようとせず、新たな行動に移りましょう。
参照
White Bear Suppression Inventory (WBSI) - ACBS