信じられない!人の思い出のうち何割かは捏造されたもの?

ありありと思い出せるはずの記憶が、実は...

人の記憶は不確かで信頼できない場合があります。

それどころか、捏造されることすらあります。

それを実験で証明したのが、 アメリカの女性心理学者エリザベス・ロフタスです。

ロフタスが活動していた1990年代初頭のアメリカは、虐待の記憶を思い出した子どもが親を告発する案件が多発していました。

その結果、多くの親が虐待の証拠がないにもかかわらず、 子どもの証言だけで有罪となっていました。

こうした状況に危機感を抱いていたロフタスは、1993年、記憶の不確実性を確かめる実験を開始したのです。

まず被験者の家族から幼少期の思い出話を聞き出します。

そして、その内容に加え、 「ショッピングモールで迷子になった」などの偽の思い出話を含め書き記した小冊子を「思い出に覚えがなければ修正するよう」に指示し、被験者に手渡したのです。

すると、なんとそのうち25%が、架空の思い出話を真実だと思い込んだのです。

しかも、そこに記されていない迷子になったときの様子や、行ったことのないショッピングモールの構造を事細かに話したといいます。

彼らは記憶を無意識的に捏造したのです。

この実験結果は大きな反響となって記憶頼りの裁判は行われなくなり、客観的証拠のない告発は却下されるようになりました。

参照
How reliable is your memory?

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