寝るだけのアルバイトに応募した学生は幻覚をみる破目に!?

「無刺激」という底知れぬ恐怖

『寝るだけで給料が貰えたらなあ』と思ったことはありませんか?

しかし、もし本当にそんなアルバイトがあったとしたら、それはいかなる取り組みなのでしょうか?

1951年のカナダには、本当にそんな仕事が実在しました。

モントリオールにあるマギル大学の心理学者ドナルド・ヘッブは、ベッドに横たわってくれる学生を募集しました。

ヘッブは集まった学生に、用意したベッドに横たわるよう指示しました。

但し、腕を段ボールで出来た筒で覆い、目を半透明の眼鏡で覆います。

また、部屋は防音設備が施されており、外の音は聞こえない環境にあります。

つまり、これは『感覚刺激を遮断すると人はどうなるのか』という実験だったのです。

食事と排泄を除き、あらゆる活動が規制されています。

これでヘッブは学生たちに当時の平均的な日当の倍以上の額の報酬を支払ったそうです。

しかし、この実験の恐ろしいところは、3日間耐えられた被験者は1人もいなかったという点です。

感覚刺激を遮断され始めた被験者は、ある程度時間が経つと何も考えられなくなり、独り言や口笛を吹き始める人もいたそうです。

そして最終的には、全員が幻覚をみたといいます。

この実験により判ったことは、『人の精神は日常のあらゆる刺激により正常に保たれているため、その刺激がなくなれば脳や心に異常をきたす』ことです。

参照
Donald Olding Hebb

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