『バチが当たる』とはどういうことなのか?完全に解明!

理不尽なのは世の中?それとも人類?

人間にとって、努力が報われないことほど辛いことはありません。

最初から落ちると判っていながら受験勉強をする学生がいるでしょうか?

赤字のまま倒産するとわかっていて起業をする人がいるでしょうか?

付き合えないと判っていて好きな人に告白する人がいるでしょうか?

そう、まず居ないんです。

人間は、努力は報われなければならないと思い込んでいます。

しかし、この逆もあります。

最近、あなたの街で痴漢がうろついているという噂を聞いたとします。

ある日、その痴漢が別の暴漢に襲われ、街から姿を消したという噂を聞いたとします。

こういう場合、『バチが当たった』というふうに考える人は多いです。

悪いことを積み重ねれば、いつか悪い結果が出て当然だと思っているからです。

しかし、冷静に考えるとヘンだと思いませんか?

痴漢の被害者と、その痴漢を襲った暴漢は直接関係がないわけですから、おそらくこの出来事は偶然です。

このバチの理論は、先ほどの『努力は報われなければならない』という心理の裏返しです。

人は『悪は罰せられなければならない』と思いたいのです。

この歪んだ人間心理を、行動経済学では公正世界仮説と呼びます。

しかし、実際にそれを体現しているのは私達個人の心理と、法律くらいでしょう。

どんなに善良な人でも不慮の事故や病気に見舞われますし、とんでもない殺人鬼が一国を征服していた時代もあるのです。

人の心理は因果応報を希望する一方、この世界はそんなことお構いなしに次々と予想外の出来事を発生させます。

さて、人間とこの世界、理不尽なのはどちらだとあなたは思いますか?

参照
The Just World Theory - Markkula Center for Applied Ethics

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