4を意味するローマ数字「Ⅳ」はなぜ時計のときだけ「IIII」?
時計の文字盤に描かれる「4時」だけ本来のローマ数字ではない
ローマ数字といってわかりにくければ、時計文字といった方がわかりやすいかも知れません。
アナログ時計の文字盤の時刻表示に使われることの多い数字です。
1、2、3、4、5、6、7、8という数字を、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、V、Ⅵ、Ⅶ、Ⅷと書きます。
5は「V」と書くのですが、4はVから1少ない数という意味で左側にIが添えられていて「Ⅳ」、6になるとVの右側にIが添えられて「Ⅵ」となります。
そして10は「Ⅹ」と書くので、9は「Ⅸ」と書きます。
一度覚えれば単純な法則です。
ところが、日本で最も馴染み深いローマ数字を使用している時計文字盤の4時の位置には、現実には使われない「IIII」の文字が書かれています。
Ⅰが4つでIIIIなのでわかりやすいといえばその通りです。
この表示法は世界的に共通して時計の文字盤のみに今も使われているもので、フランス王シャルル5世が、宮廷の時計塔の文字盤に使用したのが最初だといいます。
1370年に完成したというこの時計塔は、シャルル5世が、わざわざドイツから招いたヘンリー・ド・ヴィックという時計職人に造らせたものです。
それが完成間近になったある日、王はヘンリーに造り直しを命じました。
4時の位置に「Ⅳ」の文字を発見した王は、自分の称号であるVからIを引いた数字を堂々と掲げるなどとんでもないことだと、特別に皿の数字を作って入れさせたのだといいます。
参考 Roman Numerals History, Uses & Development - Study.com