囚人が檻の中で獰猛な山猫に引っ掻かれるのを見て楽しむ

檻に入れて見せしめにする檻刑という罰があった

かつてヨーロッパやアジアには、檻刑と呼ばれる拷問があったといわれます。

その名の通り、受刑者を檻の中に入れるものです。

それなら現在の刑務所と変わらない、と思う人がいるかもしれません。

しかし檻刑では、その姿を大衆の目に晒され、笑い者にされるのです。

この檻刑は、オスマン帝国皇帝バヤズィト1世にも科されたといわれています。

1402年にトルコで勃発したアンカラの戦いでバヤズィトは、侵攻してきたティムール大帝に破れ捕虜となりました。

そして、伝承では、猛獣用の鉄の檻に監禁されたといいます。

その後、彼は各地で見世物にされましたが、一国の王であった人物にとっては耐えがたい恥辱であったのでしょう、バヤズィトは1403年に、檻の中で自殺を遂げることになります。

フランスでも、ルイ14世の時代に同様の刑が行われましたが、閉じ込められた囚人は何もすることがなく、最終的には気が触れた状態に陥りました。

檻刑は精神的苦痛を与えることが目的の拷問であったと言えます。

ただ、一緒に獰猛な山猫を檻に入れ、囚人を引っ掻く様子を見て楽しんだというから、残忍で娯楽的な要素もあった罰のようです。

参考 The purpose of punishment in public over time

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