国王の借金により拷問され壊滅したテンプル騎士団

国王の借金で壊滅させられたテンプル騎士団

イスラム勢力から聖地エルサレムを奪還すべく、1096年に派遣されたのが、第1次十字軍です。

十字軍はイスラム教徒らを追い出すことに成功しましたが、少数の聖職者を残して大半は撤退しました。

聖地へ向かう巡礼者の保護や交通路の整備などに不安が残ることになりました。

こうした事態に対応すべく結成されたのが「テンプル騎士団」です。

結成当初はわずか9人に過ぎませんでしたが、次第にローマ教皇に公認され、納税の免除、土地建物の管理権など多くの特権を得て、 入団希望者は増加していきました。

しかも、入団希望者は私有財産を差し出すことが義務付けられ、ヨーロッパ各地の領主らも財産を寄進したため、騎士団の財力はどんどん強大になっていきます。

騎士団はこれだけでなく、王侯族への融資としても活用しました。

順風満帆に見えたテンプル騎士団ですが、金の集まるところには、望まぬ者もやってくるものです。

この財力に、フランス王のフィリップ4世が目を付けました。

フランスは極度の財政難であったにもかかわらず、国王は騎士団から莫大な借金をして浪費に明け暮れていました。

この借金を帳消しにし、資産を没収しようと目論んだのです。

そして1307年、フィリップ4世は全騎士団員の逮捕を命じました。

騎士団たちは拷問にかけられ、犯してもいない罪を自白させられました。

その結果、騎士団は解散となり、指導者達は火炙りによって処刑されています。

参考 Knights Templar

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