イギリスでは売国奴、ソ連では大物、ケンブリッジ・ファイブとは?

イギリスの天才が集結したソ連のスパイ軍団

第二次世界大戦時にはさまざまなスパイが暗躍しましたが、中には国家の中枢に近い人物が他国に機密情報を流していたケースもあります。

そのような裏切りを平然と行っていたのが、「ケンブリッジ5人組」と呼ばれるスパイ軍団です。

彼らはイギリス中の秀才が集まるケンブリッジ大学で学んでいましたが、1929年の世界大恐慌などで資本主義の体制に疑問を持つと、共産主義に傾倒するようになりました。

その後ソ連の情報機関NKVD(後のKGB)にスカウトされると、英国王室や外務省にスパイとして潜入しました。

中でもMI6(英国情報局秘密情報部)に勤務したキム・フィルビーは文書保管係に酒を飲ませるなどして接近し、重要資料を次々と入手しまた。

この手口が長年発覚しなかったことから、彼は後に「MI6の規律は厳格ではなかった」と述べています。

またイギリスは戦後、共産圏からの亡命者を対ソ連の諜報活動に利用する作戦を立案しました。

しかし、この試みも5人組が情報を流出させたことで、多くのスパイの命が失われることとなりました。

やがて、1951年にイギリス当局からスパイ疑惑をもたれると、5人組の多くはソ連に亡命。

イギリスでは「売国奴」の烙印を押された彼らもソ連では英雄視され、「大物5人組」と呼ばれることとなりました。

参考 Cambridge Five: Guy Burgess, Maclean Affair & Other Members

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