アメリカが沖縄で実験のために撒いた化学兵器

戦後の沖縄で行われたアメリカによる飢餓実験

戦争時に飢饉を人為的に発生させれば、少ない戦力で相手国を屈服できる。

そんな計画を企てたのが、東西冷戦中のアメリカです。

実験場とされたのは、当時、アメリカの占領下にあった沖縄でした。

2014年、共同通信社の報道により、1960年代の沖縄で生物兵器実験が実施されていたという事実が判明したのです。

飢餓実験と聞くと、人間に充分な食糧を与えない実験をイメージしますが、この実験でアメリカがターゲットとしたのは人間ではありません。

飢餓実験の対象になったのは、アジアの広い地域で主食とされている、米でした。

米を効率的に壊滅させるため、アメリカはいもち病を利用しました。

いもち病菌はイネを壊死させる症状と、田畑を丸ごと壊滅させるほどの感染力を持ちます。

そんないもち病菌の感染力に目を付け、アメリカは兵器利用を試みて実験を繰り返したのです。

しかもこの実験は、実験用の施設ではなく、民間の水田に菌を撒いてデータを収集していたといいます。

いもち菌の散布が、どれだけ沖縄の農家に被害を与えたかは未公表ですが、2年間の実験結果はアメリカ政府を満足させるものでした。

さらに、沖縄での成功でアメリカはさらに80ヶ国以上で実験を行いました。

その結果、 いもち菌を効率的に運用すれば1年で6000万人分の農作物を喪失させ、多くの地域を飢餓状態にできるとされました。

参照 U.S. Army tested biological weapons in Okinawa

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